酵母菌

酵母菌って知ってる?

みなさんは「酵母菌」をご存知ですか?
雑誌やレシピ本などに書かれている「酵母」や「イースト」、「イースト菌」も、実は全て「酵母菌」のことをいっているのです。
最近では、サプリメントなんかでも酵母菌入りのものが売られているので、目にする機会が多い方もいらっしゃるかもしれませんね。
ここでは、よく見るようになった酵母菌のことや、そのはたらきなどについてご紹介します。

酵母菌は何者?

酵母菌は真菌というグループに属する単細胞の微生物で、大きさは約5~10㎛(マイクロメートル)ほど。
1㎛が1/1000㎜ですから、とても肉眼では確認できないものだということが分かります。

形は球形や卵形をしており、一つの酵母菌から芽が出るように、新たな酵母菌が生まれる出芽酵母、二つに分裂することで増殖する分裂酵母が存在します。
酵母菌は、ビールやワイン、日本酒などの醸造食品や、パンや味噌、漬物などの発酵食品に使われます。

食品の中でどんなはたらきをするの?

酵母菌は、グルコースをアルコールと炭酸ガスに分解します。
このはたらきをアルコール発酵といいます。
そのアルコール発酵を利用して作られる食品の代表がこちらです。

・ワイン
ブドウに含まれるグルコースが、酵母菌によってアルコール発酵することで作られます。

・ビール
麦芽を乾燥させたものに水とホップを加え、麦汁を作ります。
作った麦汁にビール酵母を加え、アルコール発酵させることによって作られます。

・パン
小麦粉と水、酵母菌(ドライイースト等)を加えて練ったパン生地を寝かせることでアルコール発酵が起こり、パン生地が膨らみます。
一次発酵や二次発酵後のパン生地が膨らむとともに少しアルコールのにおいがするのは、アルコール発酵がきちんとおこなわれた証です。

酵母菌は私たちの体内でも!

酵母菌は私たちの体内でも活躍してくれます。

余分な糖質の吸収を抑える

酵母菌は、私たちが食べ物から摂取した糖質を、アルコールと炭酸ガスに分解します。
さきほどお話したアルコール発酵と同じはたらきですね。
このことで、余分な糖質の吸収を抑えることができるため、肥満予防に効果があるといわれています。

整腸作用

酵母菌には食物繊維が含まれています。食物繊維は体内で水分を吸収すると大きく膨らみ、腸に刺激を与えます。
このことによって腸の動きが活発になり、また水分を吸収したことによって便のカサも増すため、お通じが良くなるのです。
さらに、食物繊維は善玉菌のエサとなるため、腸内環境の正常化も期待できます。

酵母菌のサプリメントを飲むとおならやゲップが出るって本当?

酵母菌のサプリメントを飲むと、おならやゲップが増えることがあるようです。
これは、酵母菌が体内で糖質を分解したときに、炭酸ガスができるからです。
少々困りものですが、酵母菌がきちんとはたらいてくれている証拠ともいえそうです。

食品だけでなく、私たちの体内でも活躍してくれる酵母菌。
摂取するメリットや注意点をよく理解した上で活用しましょう!